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住野よる『君の膵臓をたべたい』の紹介【小説の感想・解説】

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

住野よるさんの小説『君の膵臓をたべたい』を読み終えました。

「膵臓」は「すいぞう」と読みます。僕は最初読めませんでした。

たくさんの人に読んでほしい一冊です。

インパクトのあるタイトルとは対照的に、繊細なストーリーが本の中に流れています。

今回は、住野よる『君の膵臓をたべたい』を紹介します。

住野よる『君の膵臓をたべたい」の解説と感想

日常感に溢れた非現実的な高校生活のストーリー

この物語は、高校生の「僕」と「山内咲良」2人の人間関係を中心に進んでいきます。

 

「僕」は、今まで友達や彼女が居たことがなく、何事にも冷めた目をしている、読書家の男の子。

「山内咲良」は、明るくてクラスの人気者。膵臓の病気で余命わずかだが、クラスメイトは誰も病気のことを知らない。

 

ある日、病院に来ていた「僕」がある文庫本を拾う。それはクラスメイトの山内咲良が書いていた「共病文庫」というタイトルの日記だった。

そこからストーリーは始まります。

 

まずこれから読む人に一番に伝えたいのは、この物語がいわゆる闘病ストーリーでは無いということです。

「膵臓を患うヒロイン」から連想する悲しいストーリーとは全然違う、読み進めていくと感情がぐにゃぐにゃとかき回される

温かくもあり寂しくもある。ものすごく人間らしさがつまったストーリーです。

 

とてつもなく魅力的な「山内咲良」というヒロイン

この物語を読んだ人ならきっと、山内咲良のことが好きになります

私も読み終わったあと、あの天真爛漫で人間らしさが詰まった山内咲良の印象が頭から離れませんでした。

 

膵臓を患っていて余命僅かの彼女。

普通ならば、残り短い人生に絶望してクラスメイトにも八つ当たりしてしまうでしょう。

しかし彼女は違うのです。

「僅かに残された余命」を、彼女らしく明るく、普段通りに周りの人と生きることを選択して実行しているのです。

 

偏見も色眼鏡もない、純粋で人間らしい彼女の前向きな姿。

「自分らしくいることってどれだけ素敵なことなのか」

を教えてくれもらえるような気がします。

 

「読者の自分自身」を重ねたくなる「僕」

読書が趣味の友達がいない「僕」。

高校に行っても一人で本を読んでいる、クラスメイトと交わろうとはしません。

そんな状況を、「僕」は理屈っぽく冷めた感情でやり過ごしています。

 

そんな「クラスの中の地味な読書家の僕」「明るくていつも笑っている天真爛漫な山内咲良」が交わるとどうなるでしょうか。

 

この物語は、「目立たない男の子と可憐なヒロインの恋愛ストーリー」では無いです。

では何なのか。是非、『君の膵臓をたべたい』を読んでほしいと思います。

 

その人らしさが一番素敵だと教えてくれる

自分らしさとか、そういうのって普段の生活で邪魔になることがよくあります。

時には嫌なことも我慢したり、押さえたりしながら生きていると、「自分らしさ」ってよくわからなくなるし鬱陶しくなったりもします。

 

しかしこの物語を読み終えて感じたこと。

 

「そのままの自分らしさ」がどれだけに素敵なことか。

「自分らしさに気づいてくれる人がいること」がどれだけ素敵なことか。

毎日過ぎていく時間を「自分らしく生きれない」ことがどれだけ悲しいことなのか。

 

ということで、住野よる『君の膵臓をたべたい』を紹介しました。

是非読んでみてください。涙腺が緩くなることは間違いなしです。